キャベツを生で食べると危険?健康上のリスクについて

栄養素

料理にとても役に立つ野菜、それは『キャベツ』。

キャベツは、日本では1年中手に入るポピュラーな食材です。ジャンルを問わずどんな料理でも使えるキャベツは、日本の定番野菜と言っても過言ではありません。
また、1玉のボリュームが大きいため、1度購入すると幅広いメニューに活用できる優れものです。

普段何気なく添えている千切りキャベツ。野菜を生で食べるのは、健康にいいイメージがありますよね。
煮込んだり、加熱することで様々な栄養が壊れてしまうという事がわかっているため、食材が持つ栄養素をダイレクトに摂取できる素晴らしい食べ方です。

そんなキャベツの食べ方ですが、生のまま食べると体に悪いのでしょうか?

キャベツを生のまま食べると体に悪い?

キャベツを生のまま食べると体に悪いのでしょうか?

結論から言うと、毎日大量に(2玉ぐらい)食べていれば体には危険ですが、1日1~2枚程度であれば何にも問題ありません。

キャベツを生で千切りなどで食べるのを躊躇している方は下記に書いてあるリスクをご理解の上、検討してみてください。

キャベツを生で食べる際の健康上のリスク

キャベツを生で食べることで下記の健康上のリスクがあります。

  • 食中毒の危険性
  • キャベツに含まれる有機物はシュウ酸
  • 便秘や下痢などのお通じトラブルになる

食中毒の危険性

キャベツの千切りなどの生野菜による食中毒のなかで一番多い原因は「ノロウイルス」です。
ノロウイルスは目に見えませんので、どこから付着したのか、侵入経路を見つけるのは困難です。

調理者の手指、盛り付けのお皿、提供時、食べる人の手指、などいくらでも侵入できます。
どんな場所でも感染するおそれがあるので意外と生野菜は食中毒のリスクが高い食品であることがわかります。

食べる前に手指衛生を徹底する

ノロウイルスの場合は手指衛生か野菜や食器自体を次亜塩素酸ナトリウム水溶液で消毒することが徹底されています。
提供する側でなく、食べる側も手指の消毒を徹底することで食中毒のリスクを減らすことができます。

食中毒は加熱すればリスクが低くなる

食中毒を引き起こすウイルスや細菌は「熱に弱い」という特性があります。
なので、ノロウイルスが流行っているときやリスクがある場合は生野菜を無理して食べるのではなく、加熱調理で食べることができないか考えてみましょう。

キャベツに含まれる有機物はシュウ酸

シュウ酸は血液中の石灰分と強く結合し、人間の神経系を侵します。急性中毒症状は胃痛、口腔および喉の炎症を起こし、腎臓にダメージを与えます。

キャベツにはシュウ酸が100gあたり0.3g程度含まれています。野菜の中ではほうれん草、スイバに次いでシュウ酸の含有量が多いのがキャベツです。

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ですので、キャベツを生で食べるとシュウ酸が含まれているので体に悪影響がでる可能性があると言われています。

シュウ酸を減らすためにカルシウムといっしょに摂取する

カルシウムと一緒に摂ることでシュウ酸の吸収を減らすことができます。カルシウムを沢山取ると、吸収される前の腸の段階でシュウ酸と結合するので、シュウ酸の吸収が少なくなるのです。

シュウ酸を減らすためにキャベツを茹でる

シュウ酸は水溶性なので、キャベツは茹でることでシュウ酸を減らす事ができます。食べる大きさに切ってからたっぷりのお湯で茹でると溶けだしやすくなります。

シュウ酸を減らすために水に浸す

キャベツに付着しているシュウ酸が気になる人は、キャベツを15分ぐらい水に浸しておきましょう。そうすれば、シュウ酸を30%ほど除去できます。

便秘や下痢などのお通じトラブルになる

キャベツに含まれる食物繊維は、適量であれば便通に良い働きをしてくれます。一方で、大量に摂り過ぎることで消化不良により下痢を起こしたり、反対に便秘を悪化させたりすることもあります。

まとめ

キャベツはアクがないため生でも食べられ、洋風、和風、中華料理ともっとも多く使われていて日本人の食生活に合うように改良された野菜です。

2玉くらい、生で毎日食べ続けると体には危険ですが、千切りにしたり、1~2枚程度ならば毎日でも全く心配ありません。

キャベツはビタミンC、ビタミンU、繊維質を豊富に含み、栄養価の高い食材です。特にビタミンUは、胃酸の分泌を抑え、胃粘膜の修復を助けて胃潰瘍を防止する作用があります。
毎日、1~2枚程度を生で食べ続ければ、整胃作用により胃が健康になります。

ビタミンUは別名「キャベジン」と言い、そのままの名前で胃腸薬としても利用されています。

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